血液内科専攻医による内科ローテートの実情

どうもすずめです。またしても更新を怠ってしまいました。これからは週末ブロガー目指して頑張ろうと思います。

 

さて、私は血液内科専攻医でありますが、内科専攻医でもあります。内科専門医を取得するためにはほかの内科(呼吸器内科や腎臓内科など)の症例も経験する必要があります。ほかの病院の同期と話して見ると、専門医機構に認められた"内科専門研修"でも、病院によってその内容がどうやら大きく違うようなのです。

 

まず私の病院でのローテートの仕方について述べます。

私は現在とある民間病院に所属しており、4月から通年で血液内科研修を行なっています。いっぽうで2ヶ月ごとに他の科も並行して回っています(並科ローテート方式)。例えば、6,7月は血液内科+呼吸器内科、8,9月は血液内科+腎臓内科...というように。

血液内科の患者さんは経過が長いことが多いので、通年で血液内科の患者さんを診ることができるのはメリットですが、自科と他科では独立してスケジュールが動いているので、どちらも研修しようとなると結構大変です。当初はどの科も主治医制を敷いておりましたが、最近は他科ローテートの際は担当医として受け持つことになってきました。当院もまだ手探りの状態です。

一方で他の病院はといいますと、純粋なローテート(4,5月は腎臓内科only, 6,7月は血液内科only...)のところがちらほらあると聞きます。並科と比較すると負担は少ないようにみえますが、主科で長いこと患者さんを診ることはできず、独り立ちできるのも遅くなる可能性があります。糖尿病内科志望の大学同期は循環器内科ローテートでカテーテルに入らされることもあるそうです。

また、症例登録の仕方も各病院ごとで違う可能性があります。当院ではどの症例を経験したかが当院独自のデータベースで登録できる仕組みになっています。また、担当医が複数存在する場合にどの担当医にプライオリティがあるかも黒ポチボタンで印をつけられるようになっています(同時期に複数の医師が担当した場合、その症例については一人しか登録できないルールなのです)。内科専攻医は研修期間で160症例以上登録する必要があるため、自分でメモしなくても記録に残る仕組みは大変ありがたいと思っております。

また、当院では専攻医担当部署で独自に秘書を雇っています。内科専攻医は外部病院にも研修することになるのですが、外部病院とのやりとりや、保険・関係の手続きを全面的にバックアップしていただいています。ですので、あまりストレスなく本来の業務に集中できています。

 

上記のように、病院によって研修・サポート環境は全然違います。確かにどの研修プログラムでも必要な症例は取得できるかもしれませんが、専門医制度自体があいまいなものである以上、病院によって情報格差ができているのかもしれません。これから内科に進まれる方についてはローテート状況や研修サポート環境について念入りにリサーチされることをおすすめします。